最高の幸せを感じる「究極の年収」はいくらか 報酬とサラリーマンの「やる気」の意外な関係

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米ノートルダム大学のティム・ジャッジ教授は92の同様の研究結果から、「報酬」と「仕事の満足度」の関連性は薄いという結論を導き出した。また、ギャラップ社が世界34カ国、140万人の従業員に対して行った調査でも、給料の多寡によってエンゲージメントのレベルに差が出ることはない、という結果が出た。

2013年4月にハーバードビジネスレビューに掲載された心理学者のトーマス・プレムジック氏の論文には、報酬とやる気についての興味深い研究の数々が紹介されている。

面白くない仕事には高い報酬を

・面白いと思う仕事をする時は報酬の増加は逆にやる気をそぐ。逆に面白くない仕事をする時には報酬の増加は働くインセンティブになる。
・自分が心からやりたいと思う気持ちなど内なる動機は、報酬などの外部的動機の3倍のエンゲージメントをもたらす。つまり、仕事自体を楽しめれば、もっと仕事が好きになり、報酬にばかりこだわれば、仕事を楽しめなくなる。

 

といったように、報酬では社員のやる気は買えないどころか、報酬へのこだわりは逆にやる気をそぐ、というのだ。

ここで、やる気と報酬に関する2つのTEDトークをご紹介しよう。どちらもとてもわかりやすく、示唆に富み、ワクワクするプレゼンだ。

ひとつ目は作家のダニエル・ピンクの「やる気に関する驚きの科学」。ピンクは、20世紀的な機械的作業においては、「アメとムチ」つまり「褒美と罰」といった外的な動機付けが機能するが、21世紀的な知的生産作業においては、そうしたアプローチは視野を狭め、可能性を限定する、と論じる。

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