近年、ようやくそのような声に対応が始まり、全国に拠点のある一部大企業では配偶者の転勤に合わせて転勤先の近くの拠点への異動を柔軟に考えるところもあります。在宅勤務を前提に出勤は月1回などに限定する制度を持っている企業も出てきています。
また、地銀の取り組みも話題になりました。複数地域の何行かが配偶者の転勤で退職せざるをえない人向けに、転勤先の(別の)地銀で人材を受け入れる相互紹介的な制度が作られているようです。徐々にこうした制度が整ってきているので、転勤を配慮した制度を持っている企業を探すのもありなのかもしれません。
とはいえ、そういったセーフティネットが整備されるのを受け身で待つのも芸がありませんので、ここは生活拠点という物理的な場所と仕事を切り離して考えましょう。そう言うと在宅勤務やネット上でできる仕事を想像するかもしれませんが、それだけではありません。確かにそれも一案ですが、生活拠点が変わることを前提に、仕事の内容まで変えて限定をする必要はありません。
もっと言えば、会社が変わったとしても仕事内容が同じであれば、キャリアの一貫性は自分自身で担保できるわけです。
たとえば体力的に続かなかったという介護の仕事も全国であるでしょうし、事務職という仕事だって全国どこにでもあるでしょう。
みずたさんはご自身の強みとなるキャリアの構築を目指しているわけですが、強みとなるキャリアとは、何も派手な仕事や、誰もやっていないような仕事だけではありません。むしろ考えようによっては、事務職などの全国どこでも探せるような普遍的な仕事こそが強みである、という考え方もできるわけです。
手に職を持つことが強みになる
私自身も会計や財務から仕事をスタートしていますが、それは学生の段階でどの職種や業種がよいかがあまりわからなかったことが原因です。どんな会社でも数字で結果を集計するので、どこでも普遍的に通用するだろうし、すべての仕事の基本である数字の能力を、まずは基礎スキルとして学びたいということで会計や財務を選んだわけです。
どこであっても職につける可能性があるということは、勤務地や会社というハコいかんにかかわらず、同じ仕事を継続できる可能性が高いということです。
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