丸井、「脱ヤングファッション」でどこへ行く? 渋谷の店舗を刷新、「マルイ」の名が消えた

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「CITY渋谷」は「渋谷モディ」へとリニューアル。雑貨や飲食の割合を拡充、イベントも増やす

「ヤングファッションのマルイ」といわれたのも今は昔。丸井グループが「脱小売り」を掲げ、大変貌を遂げようとしている。

「これからカードと不動産の会社になるということか」。2015年秋、決算説明会で投げかけられた質問に青井浩社長は、「小売り事業を、売り場を貸して賃料収入を得るショッピングセンター(SC)へと、切り替える」と業態転換に強い決意を示した。

百貨店から「SC型店舗」への大転換

業績は6期連続営業増益と好調だ。牽引役はクレジットカード「エポスカード」の手数料や利息収入。会員数増や取扱高拡大が続き、今期のカード事業の営業益は220億円と、伸びは前期比2ケタ近い。

一方で小売り・店舗事業は厳しい。モノからコト消費に移行する中で、丸井の象徴だった店舗「JAM渋谷」の前期売上高は、リーマンショックが起きた2008年度比で3割減、「CITY渋谷」も5割減となったほど。カード事業を上回っていた時期もあったが、今期営業益は85億円見込みと大きな差が開いた。

この苦境を打開するため、丸井が打ち出したのが、テナントとの取引形態の変更。従来、テナント売り上げの増減に応じて丸井への収入も変動する“百貨店型”の取引だったものを、“SC型”へ切り替えることにしたのだ。

狙いは収益の安定と増加である。百貨店型でブレの大きかった区画をSC型に切り替えることで、丸井には固定賃料が入ることになる。

手始めとして、2014年5月に東京・町田店を、初のSC型店としてリニューアル。2015年には4月にJAM渋谷を「渋谷マルイ」へ、11月にCITY渋谷を「渋谷モディ」へと名称変更し、SC型店舗として生まれ変わらせた。

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