電通が作ったルールは自壊しかかっている--小田桐昭・オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン取締役共同会長/チーフ・クリエイティブ・オフィサー《広告サバイバル》

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メディアにも問題がある。テレビがバラエティ番組ばかりなのは、広告代理店のルールに乗ってCMがはめ込みやすいから。しかし、こうした利益優先の結果、民放番組はどこも同じになった。テレビのメディア価値が下がったのではなく、民放は自ら価値を下げたんです。 

--明るい未来はない?

ソフトバンクの「白戸(ホワイト)家」を見て、テレビ離れしていた企業が「面白いCMを作ることが大事なんだ」と見直す動きがある。テレビCMの復活はあるかもしれません。

そもそも広告は「モノを売る」以前に人の心を動かし、企業と人との関係を深くするもの。消費者に見てもらえるよい広告を作るという基本に立ち返らないかぎり、日本の広告業界は崩れていく一方でしょう。

日本の広告を豊かなものに変えるには、まず電通が変わること。事実、電通は変わりたがっている。しかし、自分で自分の利益構造を壊すのは、なかなか難しい。実は僕が外資系のオグルヴィに行ったのも、電通を外から変えたいと思ったからなんです。電通が変われば、間違いなく日本の広告はもっとよくなります。

おだぎり・あきら
1938年生まれ。61年電通入社。松下電器、資生堂、トヨタ自動車などを担当し、多数の広告賞を受賞。03年オグルヴィ・ジャパンCCO、07年より現職。

(週刊東洋経済)

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