できる人は「あっ、忘れてた」をこうして防ぐ やるべきことを漏らさない「手帳管理」のツボ

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この方法のメリットはほかにもあります。手帳にやるべきことが整理・網羅されているので、頭の中でToDoを記憶したり、気にしたりすることがありません。

頭の中から余計なToDoを消し去っておくことは、思考面からすると非常によいのです。あれをやらないといけない、いつまでにやらないといけない、というのを頭の中に残しておくと、何かとちょっとしたことで思い出したりして、思考の邪魔になってしまいます。

集中して頭を使ってやらないといけない仕事の節々に、ToDoが気になったり思い出したりすると気が散ります。思考のスピードにも悪影響を与えてしまいます。普段の仕事の中で、余計なことを頭から追い出すためにも、手帳でToDo管理するのです。

頭に入れるために紙の手帳を使う

ここまで読んでみたものの、「今どき、手書き?」と思った方もいるかもしれません。実際、よく聞かれます。「デジタルでスケジュールとToDo管理をしないんですか?」と。

一時期はデジタルのカレンダーでスケジュール管理・ToDo管理をしていたこともあります。デジタルには、アラーム設定や、会議の招集など便利な面もあるのも認識していますが、私は紙の手帳に戻ってきました。

その理由は、頭の中にしっかり入れるためです。

手を動かしてスケジュールやToDoを書いたほうが、頭の中にしっかり入ってくると感じます。私自身の感覚で言うと、タイピングの場合は、どうも脳の表層部分にまでしか入ってこない感覚なのです。自分が紙に長く親しんできた世代であるせいかとも思っていたのですが、そうでもないようです。いろいろ調べてみると、世界では多くの実証実験があり、手書きのほうがタイピングよりも記憶をとどめやすいということは、多くの研究で報告されているようです。

頭から消し去るために手帳でToDo管理をすると言いましたが、まずは一度きっちり頭に入れこむために紙の手帳で手書きでToDo管理をしている、という面も大きいのです。

手帳だけがToDoを「漏らさず」「期日通り」にできる方法ではありませんが、ToDo管理で悩みを持っている人は一度試してみてはどうでしょうか。

私が実践している仕事術はブログでも紹介しています。よろしければそちらもご覧ください。

木部 智之 デロイトトーマツコンサルティング合同会社ディレクター

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きべ・ともゆき / Tomoyuki Kibe

横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了後、2002年日本IBM入社。数々の炎上プロジェクトの火を消し、エグゼクティブ・プロジェクト・マネージャーに。2018年よりパナソニックのソリューションビジネスの立ち上げに従事し、2020年最年少でパナソニックシステムソリューションズジャパン執行役員に就任。パナソニックコネクトカンパニー役員を経て、2022年9月より現職。人材育成にも力を注ぎ、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを実施。主な著書に『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』(KADOKAWA)、『入社1年目のビジネススキル大全 』(三笠書房)など。

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