09年第1四半期は、未曾有の景気後退局面で格下げが続く《ムーディーズの業界分析》

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世界的な景気悪化は、日本経済全体及び日本の企業セクターにとって特に重要性が高い自動車業界と電機業界において急速な需要の冷え込みをもたらした。これらセクターにおいては、グローバル生産体制をしいている企業が多いものの、高付加価値製品の日本からの輸出比率も高いため、急激な円高も収益悪化に拍車をかけている。

需要が急激に減少する中で、企業は過去の不況期と比較しても類がないほど急速に在庫調整を進めてきている。その結果、生産設備の稼働率が大幅に落ち込み、多くの日本のリーディングカンパニーが2009年3月期に営業損失を計上し、また2010年3月期第1四半期においても、厳しい収益環境にある。これら企業の収益構造は大きな打撃を受けており、構造改革が急務である。2009年第1四半期の格下げの多くは、これらセクターに属する企業である。

在庫調整の効果は徐々に確認されつつあるものの、現時点で需要の本格的な回復、引いては企業収益の回復時期を予測することは難しい。世界的な需要の弱さは長期化の様相を呈しており、企業はコスト削減策等、様々な策を講じているが、収益回復への道のりは遠い。

一方、格付け対象の日本企業は、在庫削減や設備投資の減額など、資金管理の強化を図ると同時に、現状の金融市場の混乱を背景に手元流動性を厚めに維持する傾向が見て取れる。多くの企業は、金融機関からの長期借入を増やしており、特に日本の金融機関からの資金調達の依存度は高まっているため、結果として負債水準も増加傾向にある。高格付け企業に関しては、日本の資本市場での資金調達も継続している。また、日本での歴史はまだ浅いコミットメントラインの新設や増額により資金調達の優先権を確保している。

こうした状況下において、継続的で安定的な資金調達源を確保するためには、業績回復への明確な道筋を示すことが、ストレス下に置かれている企業にとってこれまで以上に重要になっている。回復の兆しが見えない中で、多くの企業にとってこの点が大きな課題である。

今後の格付けの主なドライバーは、(1)在庫調整終了後の需要の動向、(2)昨年から大きく低下した原燃料費によるコスト削減効果、(3)抜本的なコスト構造改革のための戦略と実行力、および期待される効果、(4)資本構造や財務クッションの水準である。

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