「フリーゲージ車」は新幹線以外にも使える! トラブル発生の原因究明し、開発継続を

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
トラブルの発生で試験が中断しているフリーゲージトレイン試作車

九州新幹線「西九州ルート(長崎ルート)」への導入などを前提として試験走行が続けられていた「フリーゲージトレイン(軌間変更型電車)」の開発が停滞している。

標準軌の新幹線と狭軌の在来線を行き来できる、このフリーゲージ車については、鉄道・運輸機構を中心に、過去に第一次試験車、第二次試験車と段階を踏んでテストがされ、その結果を踏まえて量産モデルに近いとされる第三次試験車(4両編成)が完成している。

この第三次試験車によって2014年10月から、JR九州も協力をした3モード耐久走行試験が実施されていた。3モードというのは「新幹線走行(最高時速260キロ)」「軌間変換(約3分)」「在来線走行(最高時速130キロ)」を繰り返し行うものだ。

試験走行は、九州新幹線の新八代駅に設置された「軌間変換区間」を介して在来線の鹿児島本線と九州新幹線を行き来することで行われた。両線のダイヤに組み込まれて毎日24時間近くほぼ連続走行するという過酷な内容で、正に「耐久試験」となるはずだった。

試験中断、再開は来年度後半に

だが、約3万キロを走行した時点で不具合が発見され、2014年12月以降は試験中断されている。

このトラブルに関しては、走行試験の中断から約1年を経た2015年12月4日に「検討結果(中間報告)」が国土交通省の諮問機関である軌間可変技術評価委員会に報告され、了承されている。

その結論は「実験室での検証試験等によりトラブル解決のための対策を決定し、改めて軌間可変技術評価委員会が評価した上で、3モード耐久走行試験を再開したい」というもので、具体的な走行試験再開の時期としては2016年度後半を目指すとしている。

次ページトラブル受け「フル規格」構想も
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事