米国以外「すべて沈没」という驚愕シナリオ 影のCIAが「地政学」で2030年の世界を読む
・日本には陸の国境がない。また最も近いライバル――中国とロシア――は水陸両方で展開できる十分な戦力を持たない。
・住民の98%以上が日本民族であるこの国は、ほぼ単一の文化アイデンティティを持つ。これは近代では極めて珍しいことだ。したがって、これほど統一されていない国なら崩壊しかねない政策を実行したりプレッシャーに耐えたりする文化的体力を備えているのだ。日本は、下がる一方の生活水準に耐えられることをすでに示した世界でも数少ない国のひとつだ。
・移民にとって日本は魅力的な国でなく、彼らを同化できないという事実でさえ、利点である。芝生の世話や建物の管理人といった単純労働は、ほかでもない日本の高齢者によって担われつつある。この人々がこうした仕事をする1日1日は、年金財政に対して増える一方の圧力が緩和される1日でもある。
結局、日本はどうなるのか
日本はいまだに――極めて大きな――困難の中にあるが、それはドイツやロシアや中国の行く手に待ち構えている運命ほど過酷なものではない。そして困難に見舞われているそれ以外の多くの国々と違って、日本には十分な軍事的、文化的、体制的な底力があるので、問題の根本的な解決を計ることができる。
イノベーションを通じて、日本は産業の停滞から脱することができる。インフレ時代において、日本には税制上および金融上の新しい政策を採用する、ある程度の余裕がある。先の見えない時代に、日本には軍事的解決策を探るという選択肢がある。米国を除けば、日本が競争相手と見なしているどの一国も、これほどの柔軟性や永続性を持たない。
日本の将来は必ずしも強くはなく、安全でも安定してもいないかもしれない。しかし、比較的強く、比較的安全で、比較的安定しているだろう。で、私は日本の将来を憂えているかって? もちろん、非常に。
しかし、それ以外のほぼすべての国を憂うほどではない。
時が経てば筆者の誤りが明らかになるだろうって? ぜひ2040年に会いに来ていただきたい。その頃私は66歳になり、(ベビーブーム世代のせいで)だいぶ遅くなった定年退職の日を指折り数えながら待っているはずだ。うまい酒でも持って訪ねてきてください。
(翻訳:木村 高子)
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