原油安が環境政策に与える「負のインパクト」

米国では燃費の悪いトラックやSUVが人気

ガソリンスタンドで列をなすドライバーたち。原油価格の下落が、再生可能エネルギーへの転換という課題に大きく立ちはだかる(写真:Monica Almeida/The New York Times)

世界の指導者がパリに集まり、地球温暖化ガスの削減を誓ってから1カ月あまり。再生可能エネルギーへの転換を図るという決意は、早くも試練に立たされている。「犯人」は原油安だ。

ガソリン価格の下落に気をよくして、電気自動車(EV)ではなく、燃費の悪いトラックや多目的スポーツ車(SUV)を選ぶ米国人が増えている。

それでもオバマ政権は、2025年までに新車の燃費を従来の2倍に引き上げることを義務付けた規制を堅持している。中国政府も、グリーン経済推進の手を緩めるつもりはない姿勢を明確にしている。国家発展改革委員会(NDRC)は1月、原油安による石油消費拡大を抑制する新規制を発表し、即日施行した。

再生可能エネルギーとコストの問題

実際、12月に採択された「パリ協定」を維持するためには、各国政府が安い化石燃料の誘惑に負けず、再生可能エネルギー(二酸化炭素排出量ゼロ)の使用を奨励する(または義務付ける)政策を取る必要がある。

しかし、こうした政策は多くの場合、莫大なコストがかかり、政治的にも人気を集めにくい。原油安がここまで進むとなおさらだ。「各国政府にとって、今は、パリでの意思表明が本気だったのかを試すリトマス試験紙だ」と、国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は語る。

次ページ問われる各国政府の本気度
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • コロナ後を生き抜く
  • 最新の週刊東洋経済
  • 占いのオモテとウラ
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
脱・ストレス 不安加速社会<br>への4つの処方箋

コロナ禍で、人と会ったり飲み会をしたりといった従来のストレス解消法がしづらくなっています。そんな今だからこそ、「脳」「睡眠」「運動」「食事」の専門家が教えるコンディショニング術でストレスフリーな状態を目指しましょう。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT