新幹線駅に生かす青函トンネルの「苦い教訓」 道南の「ハブ」を目指す北海道・木古内町

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道南の杉材を使った観光パンフレットの棚を紹介する津山さん

活動は、構想段階からネット活用を強く意識した。Facebookでは、協力隊の名前として「新幹線地域活性特命チーム・はやぶさ03」を前面に出し、着任とほぼ同時にFacebookページを開設して独自のブランディングを目指した。

2013年には周辺8町で現地研修を行い、名所や特徴を把握。情報や経験のデータベース化を兼ねて、駅活用推進協議会が運用するサイト「旬感・千年北海道」や、町が発行している隔月PR誌「木古内EXPRESS」に反映させた。

一方では、スキルアップを兼ねて青森県側との交流にも携わってきた。2010年の東北新幹線・新青森開業以降、道南との関係を強めている弘前市へ研修に出向き、観光案内所の運営や、まち歩きガイドの手ほどきを受けた。さらに、南隣の新幹線駅・奥津軽いまべつ駅ができる今別町、「大間マグロ」のブランドで知られる大間町の町民らとも行き来し、津軽海峡を挟んだ「青函圏」のパイプづくりに努めた。

木古内町は、ネットワークとその担い手を並行して育てながら、地元9町を丸ごと紹介できる「歩く情報拠点」をつくり上げつつある。地域おこし協力隊の枠組みを活用した、小さな自治体ならではの取り組みと言える。

道内外を結ぶ軸の中心に

「私は自分が生まれた木古内でずっと暮らしていきたい。ともすれば観光振興、地域活性化など難しい漢字が並ぶけれど、木古内が今後も元気な町であり続けるため、まずは自分が元気を発信していきたい」。津山さんは故郷への思いを語る。

道の駅のオリジナルタオルを手に、江差町の仲間と語る浅見さん

浅見さんは「活動を始めて間もなく、JR大宮駅で北海道新幹線のキャンペーンをした時は、集まった人のほとんどは木古内の名を知らなかった。でも、2年後にまた大宮でのキャンペーンに参加してみて、知名度が上がったのを実感した。私たちが積み重ねてきた努力の成果が、いよいよ試される」と力を込めた。

激励に駆けつけた江差町のまちづくり仲間と会話が弾む。手元には自らデザインに携わった道の駅のオリジナルタオル。傍らには弘前市から仕入れたリンゴジュースの段ボールが積まれ、地元の杉材で造った棚には、道南にとどまらず北海道全域、さらに東北各地のパンフレットが並ぶ。道内外を結ぶ軸の真ん中に、すでに協力隊の2人が立っている様子がうかがえた。

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