フォード撤退、日本市場は見捨てられたのか ドイツ車は好調、「アメ車」手抜きの自業自得

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フォードが指摘するように、日本は輸入車ブランドには魅力がないマーケットなのか。実は、欧州車ブランドは日本で販売台数を伸ばしており、国内新車販売のうちの輸入車の割合を「今の6%から10%に伸ばせる」(日本輸入車組合のペーター・クロンシュナーブル理事長)と、今後も成長は続く見通しだ。

欧州の輸入車ブランドが伸びているのは、国産車から輸入車に乗り換える客を獲得できているからだ。2015年に6万5000台を販売し、フォルクスワーゲンを抜いて輸入車シェア首位となったメルセデス・ベンツは、輸入車デビュー層にも買いやすいコンパクトな低価格帯の車種を拡充し、販売台数が伸びた(右図表)。

輸入車シェア3位のBMWでは、コンパクト車「2シリーズ アクティブツアラー/グランツアラー」の販売の7割を国産車からの乗り換え客が占めており、「日本市場はまだポテンシャルがある」(BMWジャパンのペーター・クロンシュナーブル社長)という。BMWは今夏に50億円超をかけた体験型の販売拠点をお台場にオープンする予定で、顧客の裾野を広げるマーケティングに惜しまず投資している。

アメ車もかつては高いシェア

1970年代はフォード、GM、クライスラーを合わせた日本でのシェアは20%以上だったが、欧州勢に押されて2010年以降は2%台にとどまる。欧州車が国産車からの顧客を取り込む一方で、アメ車は「車に詳しいコアなファン」(九州のフォードディーラー)や「ドイツ車を避けて輸入車を探す人」(GM取り扱い販社)などの限られた固定客に依存している。

ビッグスリーは2009年以降の東京モーターショーには参加しておらず、日本でブランドをアピールすることに積極的ではない。フォード撤退で残るGMとクライスラーにも注目が集まる。日本でのアメ車の存在意義が問われる時が来ているのかもしれない。

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