記事によると、iidaブランドで実験的かつ多彩なデザインの端末を投入し、多様化するユーザーニーズの探知機にしていく。「デザインのau」のイメージを回復させ、次の成長につながるステップとしたい考えだ、という。
通常であれば自社のポジションに適合した戦略に絞り込むのが戦略のセオリーであるが、あえて二枚看板で展開する。なぜか。もう少し探っていこう。
■auがデザインにこだわるワケ
auはこれまで、数々のコンセプトモデルで携帯電話とユーザーの新しい関係を提唱する「au Design Project」を実行し、模索を続けてきた。携帯ユーザーに衝撃的なデザインを提唱した「INFOBAR」(2003年)を皮切りに、2004年「taldy」、2007年「MEDIA SKIN」など、古くなってもいつまでも使い続けられるような名機を発売してきた。
現在、同プロジェクトは、新ブランドiidaに吸収された形を取っているが、iidaの基本思想を紐解くには、2007年のコンセプトモデル発表会である「ケータイがケータイし忘れていたもの展」のメッセージを思い出してみるといい。
『考えてみると、ケータイは使っている時間より、ただいっしょに「過ごしている」時間の方が長いのかもしれない。人とケータイが共有する、すべての時間を「デザインする」こと。それがauの考える「ユーザー・インターフェイス」。』
使用する機能ではない。人が最も身近に置き、長い時間を共有する機器である「携帯電話」という存在そのものの「価値」を問い直した展開なのである。
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