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〈今週のもう1冊〉『生き物の死なせ方 共生・共存からはみ出した生物たちの社会学』書評/「死なせざるをえない」生き物の死のありよう

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生き物の死なせ方 共生・共存からはみ出した生物たちの社会学(渡邉悟史 著/ナカニシヤ出版/2970円/308ページ)
[著者プロフィル]渡邉悟史(わたなべ・さとし)/龍谷大学社会学部講師。博士(政策・メディア)。専門は地域社会学、人間動物関係論。著書に『オルタナティヴ地域社会学入門 「不気味なもの」から地域活性化を問いなおす』(共編著)など。
さまざまな分野の専門家が、幅広い分野から厳選した書籍を紹介する。【土曜日更新】

人間社会は時に「やむをえない」理由で生物の生態に介入して死なせる。生態系や環境を保護するための侵略的外来種の駆除、生態調査や収集のための直接採集、害獣や害虫の駆除──。本書は、人がやむなく生物を死なせる行為や、死体の処理のありようを観察し考察する、「死体の社会学」とでも呼ぶべき一風変わった著作だ。

生き物の死のありよう

侵略的外来種の駆除は、メディアでは必要悪として描かれることが多い。生態系に悪影響をもたらす外来種を野放図に増やした人間が責任を果たすべきだとされる。

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