台湾政界の風雲児「時代力量」トップを直撃 「民進党とはケースバイケースの関係に」

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また、この新政治は行動力が伴うものであるべきだろう。過去、陳腐な官僚システムは社会の不公平や不正義な問題を回避してきたが、このような問題に積極的な行動で解決すべきだと考える。

これまで、いびつだった国土開発問題など、台湾に巣くってきた不公平さという問題に対し、国民党が消極的な姿勢や問題先送り、官僚的な態度で臨んだ時には、必ず社会から大きな反発が生じた。時代力量は透明、開放、参加、行動を基本価値としている。われわれ自らにも、これらの価値を課している。

――そのような基本的価値を、具体的にどのような行動で実践しますか。

立法院(国会)改革だ。立法院で各立法委員(国会議員)の行動と決定は透明化され、有権者が検証できるようにしたい。これによって民主主義による「責任ある政治」を実質的に行えるようになる。われわれは、過去の密室交渉のような政治に反対し、かつて存在した院内交渉を中心として運営される国会に変えようとしている。

議員たちはそれぞれの小委員会で専門的に審査し、もし立場が一致しなければ、本会議で実質的な討論を行えるようにしたい。最終決定においては、各党の議員の立場、賛成と反対理由はすべて公開され、有権者が今後の判断材料になりうる。

われわれも自らに次のように要求を課している。今後立法院でかなりの論争を伴うような重大法案が提出された場合、われわれがどのような立場にいるのかを責任を持って有権者に報告し、われわれの行動の意味を有権者に伝えるようにすることだ。

92年コンセンサスには「各自解釈」がない

――民進党との関係は今後、どうなりますか。

ケースバイケースだ。蔡英文政権が推進していく重要な改革法案が当初の理念から離れなければ、時代力量はこれを全力で支持する。2000~08年の国民党と親民党のように、「反対のための反対」は消耗的な争いを招く。そんなことはしない。

われわれが持つ権力は国民から生じている。国民の声を代表して国会で政府を理想的に監督することこそ、われわれの使命だ。今後の民進党政権が国民の期待に反したり、権力濫用を行えば、時代力量は必ず国民側に立つ。

――馬英九政権がその存在を認めてきた「92年コンセンサス」(九二共識)、すなわち「一つの中国、各自解釈」(中国は一つだが、その中味については中国、台湾がそれぞれ解釈するということ)を認めますか。

資料を振り返ってみると、「92年の中台間での会談」は確実に存在するが、「92年コンセンサス」はない。これは、国民党と中国共産党の両党だけがつくった概念だ。台湾の民主憲政からすれば、ある政党が台湾を代表してわれわれに敵対意識を持つ中国共産党政権といっしょにコンセンサスをつくる資格はない。ある政党が一方的にこんなことをしてしまえば、すでに超えてはいけない線を越えたことになる。

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