台湾政界の風雲児「時代力量」トップを直撃 「民進党とはケースバイケースの関係に」

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われわれからも、友好国と国際社会にメッセージを一つ送りたい。国際社会の一員として、われわれはつねに平和的だ。世界で重大な異変や緊急事態が発生すれば、台湾人は救援の手を差し伸べることを惜しまない。このことを、日本の友人たちはすぐに理解してくれると思う。

第二次世界大戦が終わった後に作られた国連と国連憲章、そして世界人権宣言を重視するならば、中国の動きは人類の文明的な社会が建設したい普遍的な人間の価値を侵害しているということを、われわれはもっと知るべきだ。彼らは、中国の市場経済が産み出す利益だけを追求し、重要である普遍的価値を犠牲にしている。これは、国際社会のすべての国にとって、よいことではない。

――黄主席はこれまで、2012年のメディア独占反対運動(親中的な資本が台湾メディアを買収しようとしたことに反対した運動)から2014年のひまわり学生運動に至るまで、若者たちとともに参加してきました。このような若者たちの運動が、台湾の政治や経済に与える影響をどう見ていますか。

この4年間、これほどの大規模な市民運動がなかったなら、民進党が圧勝した2014年11月の地方選挙、そして今回の総統選・立法院選のような結果は出なかっただろうと思う。市民運動のトレンド、特に若い世代が参加したことで生じた「市民覚醒」の熱風が、公的な問題に若者たちがより積極的に参加する動機になり、投票所へ足を向ける力となった。地方選挙と今回の選挙では、彼らは間違いなく主要な役割を果たした。

この現実は、政治や経済情勢の多くの部分は「世代正義」の問題と関係している。大人たちが現在生じている問題に対して責任を取らず、すべて適当なその場しのぎで済ませ、解決は下の世代に転嫁する。これに対して若者たちは怒り、「自分たちも政治に参加しよう」と声を上げた。自分たちの未来を変え、自分たちの手で決めたいという思いから、「自分たちの国は自分たちがつくっていく」というスローガンを叫ぶようになった。これはまさに肯定的な力だ。

市民たちの政治意識に政党は戦々恐々

このような動きが国民党に与えた教訓、そしてそれ以外の政党にも共通する教訓として最も重要なのは、社会の期待に反したことを行い、それに対し若い世代が立ち上がって政党に反対する動きを見せると、その政党は淘汰されるということだ。

これにより、現在の台湾は既存の大政党と発展途上の小規模政党、ともに戦々恐々としている。そして彼らは、自党の政策と行動、国民の意見、特に若い世代の未来に対する答えを出してこそ次の選挙まで生き残ることができると考えるようになった。これは、台湾における民主主義の深化や市民と社会の交流にとってプラスになっていくだろう。

――今回の選挙で「第3勢力」と呼ばれた政党、これには黄主席の時代力量や緑党社会民主党連盟などが含まれますが、すべて「新政治」を打ち出しました。黄主席にとって「新政治」とは具体的にどういうことですか。

これまでの利益重視の政治や特定個人の人脈による政治、そして利権をやりとりするような政治はすべて嫌いだ。われわれが望む「新政治」とは、密室での交渉による政治ではなく、透明性のある政治だ。「エリート」と呼ばれる人たちが国民をつねに被害者にしてしまう政策決定体制ではなく、国民に向かって開かれており、すべてが参加できる政治ということだ。

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