《検証・民主党》年金-非現実的な抜本改革案、一元化は看板倒れも
「年金制度を一元化し、すべての国民が同じ年金に加入する仕組みに改める」
「税金の無駄遣いを徹底的になくし、消費税率は現行のままに抑えて、その全額を年金の財源に充てる。現行の給付水準は維持する」
「年金の基礎(最低保障)部分の財源は全額税で賄い、保険料未納をなくして、確実で安定した制度に」
2007年7月の参議院選挙時のマニフェスト(政権公約)で、民主党は年金制度について、このような「抜本改革」を打ち出している。
年金記録問題の解決と並び、年金制度の抜本改革は民主党の金看板の一つだ。民主党は来る衆議院選挙で勝利した場合、政権担当4年目の12年度から年金制度改革を完全実施する方針を「改革工程表」で明らかにしている。
民主党の改革の特徴として、(1)年金制度の完全一元化、(2)最低保障年金の創設、(3)消費税全額の充当、の3点を挙げることができる(下表)。これらにより、公的年金制度に対する国民の信頼を回復させ、年金の持続可能性を確固たるものにするというのが、民主党の公約だ。
だが、一元化は実現可能性が乏しいだけでなく、実施過程で新たな問題を引き起こしかねない。