iPhoneの成長、本当に止まってしまったのか アップル最新決算にみえる懸念と希望
特にiPhoneについては、前年同期の7446万台から、今回の決算の7478万台という、非常に小さな増加に留まった点について、もう少しみていこう。
初めてiPhone販売減少の予測も
アップル CEOのティム・クック氏はカンファレンスコール冒頭で、世界の為替の環境に言及しており、米国外売上が66%にのぼるアップルにとって、現在のドル高が収益を圧縮している点を指摘した。
また中国市場について、14%の成長に留まっており、直近の株価急落等の経済危機によって、成長が押し下げられている点にも触れた。ただ長期的に見れば、成長力を取り戻すとの見方だ。
日本市場はマイナス14%と減少に転じている。1ドル100円前後だったドル円相場が1ドル123円前後へ急伸したことで、価格調整によって製品の販売価格が値上がりを受けた販売台数圧縮や、価格が変わらなかったものについてもドルベースの収益額の減少が、影響として現れた。
ただ、こうした為替等の影響を受けていない米国での収益が落ちた点は、たとえ全体の収益やiPhoneの販売総数を維持できていたとしても、もう少し深刻にとらえる必要がある。商品力など、アップルの戦略そのものの魅力に関わる数字、と見ることができるからだ。
今回の決算発表で注目したコメントは、2016年第2四半期については、前年同期比を下回るとの予測が出たことだ。確かに、2015年第2四半期のiPhone販売台数は6117万台で、2014年第2四半期から40%増加した。こうした突発的な増加からさらに成長するとの見方は、さすがに楽観的すぎる。
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