オンワードホールディングスが20代女性向け新ブランド投入、3期連続減益から巻き返しへ
アパレル最大手のオンワードホールディングスは今秋、主に20代女性をターゲットにした新ブランドを投入する。新ブランド名は「フェアステ」。デンマーク語で「1番の」という意味で、いわば英語のファーストのデンマーク版だ。同社が参考にした各種資料によると、デンマークは「国民の幸福度調査」で世界178カ国中首位であり、それにヒントを得て命名した、という。売り場面積は約30坪。8月下旬から、東名阪の百貨店15~20店舗で展開、年間売り上げ30億円を目指す。
前2009年2月期は売上高2610億円(前期比9.1%減)営業利益も90.8億円(同51.2%減)に終わった同社。今10年2月期も売上高2526億円(同3.2%減)、営業利益も80億円(同11.9%減)と3期連続営業減益の会社計画。復活のゆくえはひとえに主力の百貨店向けブランドが勢いを取り戻せるかにかかる。
同社が新ブランドを展開するのは2年ぶりとなる。新ブランドのターゲットは、「自分のスタイルを持ち、仕事もプライベートも大切にする女性」。「さりげなく、おしゃれでセンスが良い」というのがブランドのキーワードだ、という。百貨店の婦人服販売が不振の中「百貨店に望まれるブランドとは何か」を突き詰め、その1つの答えとして出したのが今回の新ブランド。単に商品を一つひとつ売るのではなく、ブランド全体で一つのライフスタイルを提案するMD統括部婦人衣料(商品戦略)だ。
それを端的に表したのが、ブランド全体に占める雑貨の構成比率の高さ。従来なら90%程度が衣料で占められるところ。だが、新ブランドは「雑貨の比率が約40%を占める」(室井修・レディス事業本部第2ライフスタイル本部長)。品質を重視しながら、縫製工場の閑散期などを利用することなどで、価格も従来より割安感を演出した、という。業界では20代女性向けブランドは最も競争の厳しい分野。だが、「若者の百貨店放れ」が指摘される中、次世代顧客の育成は欠かせない。衣料はユニクロの独り勝ちと言われる中、アパレル大手の巻き返しの度合いを測る意味でも重要な位置づけを占めそうだ。
「東洋経済オンライン」は現時点で今期予想を会社計画にあわせる。6月中旬発売の「会社四季報」夏号に向けて、適宜見直していく。
(福井 純)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2009.02 261,005 9,084 6,285 -30,895
連本2010.02予 252,600 8,000 10,000 3,600
連本2011.02予 258,000 8,200 10,200 3,700
連中2008.08 132,469 5,990 6,825 2,497
連中2009.08予 124,200 3,000 3,800 1,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2009.02 -197.2 30
連本2010.02予 23.0 30
連本2011.02予 23.6 30
連中2008.08 15.9 0
連中2009.08予 6.4 0
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