ニュースを制する拡散インフラはどこなのか Facebook、Apple、Google「頂上決戦」の行方
しかし、Facebookは情報取得の下流であるデバイス、スマホのOSを握っていない。世界のスマホの約8割はアンドロイド、残りのほとんどはiOSだ。Google、Appleがこの部分を握りしめている。
Facebookはこの部分に神経をとがらせてきた。「ジ・インフォーメーション(The Information)」によると、Facebookは水面下で、Googleがアンドロイドのアプリストアである「プレイストア」からFacebookアプリを排除する可能性に備えてきた。排除されれば、ユーザーはアップデートが難しくなる。
Facebookは秘密裏にエラーを起こし、数時間の間アプリに「人工的な故障」をもたらすようにして、アンドロイドユーザーの忍耐力をテストしていた。数年前に行われたテストの目的は、Facebookアプリを消去する限界点を確認することだった。Facebookは限界点を越えなかった。「人々はFacebookを訪れ続ける」とその情報筋は話した。
GoogleはFacebookがプレイストアのルールを侵したため、アプリを排除すると圧力をかけ、Facebookがアプリに関する注文を即座に飲んだ経緯があった。ただ、Facebookが新しいアプリをアンドロイド環境でテストする際には、Googleは特別に支援したこともあるという。
同記事によると、Facebookの上層部はGoogle Playからアプリが取り除かれないように努力を尽くしてきたが、抜け穴を見つけたことで小康を得ている。プレイストアの外で手動でアプリをアップデートする方法を発見したのだ。最近はFacebookアプリ内でGoogle Mapsではない、ほかの地図サービスを利用するようにする方法を模索している。
実機へのプリセットに関してはいまのところ盤石だ。スマホ世界1位サムスンのほか、スマホ世界3、4位のファーウェイ、シャオミもプリセットしている。プリセットにはGoogleは干渉できない。
Google、Appleに猛追の余地
これらからGoogleとAppleにはFacebookのコンテンツ流通網にプレッシャーをかけられる余地がある。Googleはアンドロイドをもち、「ネクサス」でデバイスの生産に踏み込んでいる。Appleはスマホ、タブレットの強力なデバイスとiOSを握り、マーケティング的に価値の高い層をつかんでいる。
2016年はGoogleの「Accelerated Mobile Pages(AMP)」とAppleの「News」がIAに対抗し、三つ巴になる年だろうか。
Written by 吉田拓史
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