隅修三・東京海上ホールディングス社長--エネルギーは内向きより外向きに拡大させていく

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--にわかに再編第2幕を迎えた損保業界ですが、各社とも規模のメリットを追求しているように思えます。はたして規模のメリットにどれほどの意味があるのでしょうか。

過去は確かに、規模イコール収益でした。保護行政の下で、どの保険会社も同じ商品を、同じ保険料で売っていましたので、各社とも収益率も同じです。100売れば10儲かる、50売れば5しか儲からない。これがずっとリンクしていたので、みんな売り上げのマーケットシェアを追いかけていたのです。しかし、1998年以降、保険料が自由化されましたので、収益率は各社ごと、商品ごとに違ってきています。

だから、売り上げで一番を争ってみたところで、あまり意味がなくなってきました。ただ当然ですが、利益の源泉は売上高にあるわけで、売り上げは追い求めていきます。が、どのような売り上げでもいいというわけではない。われわれ東京海上の質をキチッと評価してくれるお客様を増やしていくことが、収益も上げていけることにつながります。

保険事業は売上高を増やそうと思えば、料率を下げ、悪い契約を増やせばいくらでも増やすことは可能なのです。しかし、それでは収益が伴いません。品質が高いということは決して安売りすることではないのです。品質の高い商品を選ぶお客様が増えることは、従来のマーケットシェア拡大路線とは別ものです。

たとえば、米国における自動車保険はコモディティといえます。商品内容はほぼ一緒。引き受けのときの仕組みやいかに迅速に引き受け体制を作るか、あるいは事故のときの支払いなど、一連のプロセスで勝負するのが一般的なのです。

ところが日本では、“わが社”の自動車保険と言って、みんな少しずつ特約条項を付け加え、「自分たちの商品は違う」と競争しています。

--東京海上も同じようなことをやってきたのではありませんか。

そのとおりです。他社がこんな特約条項を付けたのだから、うちもこっちもと、延々と繰り返してきました。その結果、何が起きたかといえば、保険金の支払い漏れです。あの問題も商品をどんどん複雑化することで、引き受け体制や支払い体制が追いつかなかった。そこが遠因となっているのです。

--自ら変わる意識は。

いえ、だから今まさにこれを全面的に根こそぎ変えようとしています。商品をいかにシンプルにするか、社員からも代理店からもその過程が見えるような仕組みをどう作るか……。商品と同時に、ビジネスプロセスの流れがよく見えるようにする。われわれの業務革新プロジェクトというのは、まさにそのためにIT基盤を全面的に刷新したのです。

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