3月ダイヤ改正でJR営業費用はどう変わる? 列車の運転キロ数増減を基に「独自算出」
JR各社は2015(平成27)年12月18日、2016(平成28)年3月26日に実施するダイヤ改正のあらましを発表した。北海道新幹線「新青森-新函館北斗」間の開業を中心に、全国各地で列車の本数増加や、または見直しが行われる。
列車の本数の増減とは、列車を運転することで予想される営業収入と列車を運転するための営業費用とを比較考量して実施される。営業収入が営業費用を上回ると目されれば列車を増発し、そうでなければ列車は削減される。いたって簡単な仕組みだ。
今回のダイヤ改正により、JR各社の営業収支はどのように変化するのであろうかーー。その一つの目安として、ダイヤ改正によって変化する列車の運転キロ数(=列車キロ)に要する営業費を求めることとした。
ダイヤ改正、各社の目的は何なのか
列車を運転するための営業費用として考慮した項目は、列車の運転に要する作業費である運転費はもちろん、車両の維持補修に要する車両保存費、旅客および貨物の取り扱い並びに列車の組成および車両の入れ換えに要する作業費である運輸費だ。
算出に当たり、まずは前提となるJR各社の列車キロ1km当たりの営業費用を求めた。そして、今回のダイヤ改正でJR各社の列車キロがどのように変化を遂げていくのかを挙げ、その結果に基づく営業費用の増減をまとめた。
本来ならば営業費用は年額を求めるべきであろうが、列車のなかには曜日によって運転されるか否かが決まるものもあり、年間の運転日数が確定しないことから、全列車が運転を実施または休止した場合の1日当たりの営業費用を挙げるにとどめている。だが、これだけでもJR各社が何を目的として今回のダイヤ改正に臨んでいるのかは把握できるであろう。
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