菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度

不祥事が政権危機につながるボディブローに

主要野党は調査結果を2021年度予算案の衆院通過までに報告するよう要求。武田良太総務相は「一刻も早く処分を下せるよう国家公務員倫理審査会に報告を上げたい」と答弁した。

しかし、問題発覚から2週間後の17日夕、『週刊文春』が二の矢を放った。正剛氏らが秋本局長を接待した12月10日の高級和食割烹での音声記録が公開されたのだ。音声は技術的に修正されているが、3人のものとされる会話の中には「BS」や「衛星」などの言葉が含まれていた。

これを受けて17日夕、立憲民主党の安住淳国対委員長と自民党の森山裕国対委員長が会談。安住氏は総務省が音声内容の事実関係を調査し、衆院予算委理事会で報告するように要求した。同省は18日午前の同理事会で、報じられた会食中の音声について、秋本局長が一部は自身の声だと認めたと報告したが、衛星放送に関する発言があったかは「記憶にないということだった」と説明した。

東北新社の献金と会食を認める

この回答に野党は猛反発し、19日に発言を改めて報告させるとともに、22日に予定される集中審議に谷脇、吉田両総務審議官を出席させることで合意した。

『週刊文春』の音声録音公開は、17日の衆院予算委で、立憲民主党議員が菅首相を追及している最中だった。菅首相は、親しい間柄だった東北新社創業者の植村伴次郎氏やその長男(いずれも故人)からの「総額500万円の献金」と過去の会食も認めた。

ただ、会食については「10年ぐらい前のことで覚えていない」と具体的説明は避け、植村氏らのパーティー券購入も「法令に基づいて、適正に処理されている」と事実関係には踏み込まなかった。

しかし、音声公開で事態は一変。野党側は秋本局長らを攻め立てるとともに、国会答弁で「事業にかかわる話は一切ない」と答弁した武田総務相の責任問題も追及した。菅首相の立場も苦しくなっており、22日に予定される集中審議がこの問題で大荒れになる可能性も出てきた。

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