医学部入試の面接で本当に起きた「逆転合格」

これが最新情報で判明した面接の突破法だ

〈問題〉
「離島の病院に週1回、医師が遠方よりやって来て、島民の治療にあたっている。だが、この島にAI(人工知能)ロボットを導入したら、24時間、毎日休みなく、いつでも島民を診療可能である。AIロボットを導入した場合、医師は島の限られた予算から来られなくなるという。あなたがこの島の村長だったとして、人間の医師とAIロボットのどちらを導入するか。なお、AIロボットの導入の予算は、製薬会社が費用を負担するものとする」

この問題について、教え子のM君からの聞き取りで問題の内容があいまいなため、以下に教え子とのやり取りを記してみたい。

小林:AIロボットの導入費を製薬会社が持ってくれるのなら、あとはそれほどカネはかからないんでしょ。であれば、AIロボットのほかに、医師が島に行く予算も確保できるのではないの?

M君:いや、だめなんです。何か予算の関係で、どちらかしか選べないという設定でした。

小林:それでなんて答えたの?

M君:僕はロボットに24時間診察してもらえるのは、安心感があるとは思うけれど、やはり高齢者も多い島と書かれていたので、迷いまして。

小林:AIロボットの導入費は製薬会社が持つのに、村の予算がなくなるのね。AIロボットの運営費がかかるのかな。

M君:製薬会社だったかどうかはあいまいなんですけど、どちらかしか選べないという状況でした。

村長と島民でなぜ答えが異なるのか

小林:君はAIロボットはだめだと答えたんでしょ。

M君:AIロボットは、人工知能なので過重労働にも対応可能であり、膨大なデータから治療方針を決めることができ、精度が高く安心感があります。また導入の経費も軽減される点は魅力的です。しかし、高齢者が多いこの島では、直接医師と話したい人が大勢いると思われ、島民の心のケアや寄り添う医療の実現ということを重視すると、別の視点が出てきます。村長としては、対立する2つの価値を慎重に比較衡量して、人間の医師を優先することになります。そう答えました。

小林:利益衡量したわけね。それで人間の医師を選んだと。

M君:はい。その後続けて「自分が村長じゃなくて島民だったらどうするのか」という質問も聞かれました。

小林:島民?それは同じだよね。答えは変わらないね。

M君:僕は別の答えを言ってしまいました。島民だとAIロボットって答えました。

小林:なぜ?

M君:現状で僕は高齢者じゃないため、1週間に1度来る先生と、そんなに話したいとは思えなかったので。

小林:それで君の答えにどう反応していた?

M君:「それは違うでしょ」って言っていました。面接室を出てから、まずいなと気付きました。

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