スタンフォードで体得した! 効率よく知力を鍛える勉強法《若手記者・スタンフォード留学記 29》



 ポイントとなる能力は、「どの論点に優先順位を置くか」と「論理的な厳密性」の2つ。最悪なのは、自分の知識を何でもかんでも盛り込もうとして、結局、何が論文の主題か、わからなくなってくるパターンです。私の記者としての経験でも、伝えたいと思うことがたくさんあって論点を詰め込みすぎると、かえってピンボケした記事になってしまいます。

最後に、アウトプットの能力。

これは、レポート、クラスでの討論、そして、プレゼンテーションによって鍛えられます。私も、先週、先々週にかけて、合計5,6回もプレゼンテーションをやらされて、疲れ果てました(笑)。ビジネススクールなど、授業中の発言・発表に重きを置くプログラムは、とくにアウトプット能力向上に効果的でしょう。

上に述べた、知識の吸収・整理・発信の能力は、別に大学に行かなくても、養うことは充分可能です。実際、大学に行くより、たとえば、コンサルタントとして市場原理に揉まれたほうが、情報の整理・発信の能力は高まるでしょう。

ただ、若いうちにこうしたトレーニングを一通り受けておきたい人には、大学院留学は費用対効果のいい選択だと思います。

一番大事なのは、「インプット能力」である

知識の吸収・整理・発信の能力はどれも重要です。

ただ、中でも一番重要なのは、「知識のインプット能力」だと、近ごろつくづく思います。

基本的に、知識の整理・発信能力の2つは、一定の訓練を受ければ、人によって大して差は生まれません。結局、人と知力で差をつけるカギとなるのは、インプット量である、というのが私の結論です。

言い換えれば、ある程度、知識を整理する力とアウトプット能力があれば、「読書量」と「経験量」が、知力の大部分を決定づけるということです。ということは、当然、年を重ねている人の方が、累積の読書量・経験量が多いため、知力が高い可能性が高いことになります(自然科学と社会科学では違いがあるでしょうが)。

そう思うのには理由があります。

大学生活を通じて、いろんな授業を受けたのですが、やはり印象に残っているのはベテラン教授の授業なのです。若い教授は、しゃべりの上手さや頭の切れに感心させられることはあっても、何か深みがないのです。論理的な整合性は高くても、話にあまり引き込まれない。

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