ドローンは航空機にとってかなり「脅威」だ 規制なしでは衝突事故も時間の問題?

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バード・カレッジのドローン研究センターは、12月11日にドローンのリスクを包括的にとらえることを狙った調査を発表した。この調査では近接遭遇の定義を拡大し、パイロットが回避行動を取る必要があったものだけでなく、ドローンが飛行機の近くを飛んでいた場合も含めた。

この調査の対象となったのは、国内の空域でドローンと航空機が関係した922件のインシデント(事故よりは軽微な安全上の事例)だ。対象となったインシデントは、2013年12月から2015年9月までに、FAAとNASAの航空安全報告制度に報告されたものだ。

3割以上が航空機と近接遭遇

このうち、全体の35%にあたる326のインシデントで、ドローンが航空機から500フィート(約152メートル)以内に近づき、この調査が定義するところの近接遭遇であったことが分かった。また、28件では、衝突を避けるためにパイロットが機体を動かす必要があったという。

この調査報告書の執筆者の一人であるアーサー・ホーランド・ミシェルは、規制当局や政治家や一般の人々が、ドローンのリスクについてより良く理解するためには、より正確かつ公平なデータが必要だと言う。

彼によると、ドローンが旅客機を墜落させる可能性があるのか、また近接遭遇には悪意があるのかなど、詳細な部分に関しては、「どのくらい深刻なのか、まだ議論が必要だ」という。

「しかし、ドローンを国内の空域に融合させるという課題は、さまざまな方法を組み合わせることで初めて解決できる。加えて、業界と規制当局、そしてドローンユーザーとの間でのコラボレーションも必要になる」。

(執筆:Jad Mouawad記者、翻訳:東方雅美)
© 2015 New York Times News Service

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