スマホは成熟した今だからこそ進化が必要だ

NuAns NEOは、最初の会議で方向が決まった

昨年5月の時点ではデザイナーのTENTは合流していない。純粋に必要な機能、スペック、価格帯、ターゲットにするといったところから詰めていくことにした。”どのキャリアと話をしたのか”といった質問を受けることがあるが、どのキャリアとも話はしていない。当初からSIMフリーありきで開発してきた。

”格安SIMと組み合わせて使う格安スマホ”が、キャリア販売ではない単体売りSIMフリー端末の主流だったが、大手携帯電話キャリアが、端末のSIMフリー化に向かうトレンドの中で、機能や性能、デザインにこだわる利用者層も、いずれSIMフリー端末に興味を持ち始めると考えた。

しかし一方で、最上位の性能や機能を全部詰め込んでしまうと、8万円近い価格にせざるを得ない。SIMフリー機として販売するということは、基本的には素のままの本体価格で勝負しなければならないわけで、我々のように1モデルだけしか商品を持たないメーカーには扱いにくい。

なるべく長い期間、商品力を維持できるだけの性能も持たせる必要があったため、本体価格の目標は4万円を切るところに設定した。ただし、価格を抑えるために、最初から機能をあきらめることはしたくなかった。

価格帯を決めた上で、採用したい機能を”思いつく限り列記”し、それぞれについて”絶対に不可能”、”努力次第で対応可能”、”充分に対応可能”と、難易度の切り分けを行い、絶対に不可能であることが明らかな要素以外はギリギリまで可能性を探ることにした。

たとえ実現性が低かったとしても、可能性があるならば、時間リミットギリギリまで取り組む姿勢でなければ、小さなチーム、小さな資本で魅力ある製品、言い換えれば存在価値を認めてもらえる製品を作れないと考えたからだ。

限界費用を下げることより重視したこと

5月の最初の会議で決めたNEOの特徴は多岐にわたるものだ。

まず”格安スマホ”では省略されがちな、しかし実際の使用感を高める上で重要な要素はすべて盛り込もうとした。単なるスペック一覧ではわかりにくく、強く主張できる機能でなくとも、日常的な使い勝手を損なうおそれのある低コスト化は避けている。

たとえば、デュアルマイクによるノイズキャンセリング機能は、騒々しい場所から電話をする際に大変に役立つ。接続コネクタも利便性や今後主流になっていくだろう、新たなスタンダードであることを考えてUSB Type-Cコネクタ採用、低価格機では省略されがちな802.11ac対応も春の時点で決めていた。バッテリに関しても「モバイルバッテリを持ち歩かなくて済むように」というのが、最初からの決めごとである。

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