ゲオの動画配信は、「アダルトビデオ」で稼ぐ 50本のAVをラインナップ、毎週10本入れ替え
――今年は動画配信元年とも言われたが、各社ともまだ試行錯誤の段階のようだ。日本でも本当に動画配信は浸透すると思うか?
一定の市場は形成されるだろうが、実店舗でのレンタルはなくならない。何か特定のコンテンツを見たい人と、何でも時間が潰せればいいという中での最優先が映画やドラマという人との、2種類のユーザーがいるからだ。前者は見たい作品が検索できるとか、類似の作品がリコメンドされる動画配信に魅力を感じるだろう。が、(後者の)時間が余ったときにふらっと店に来てくれる人には、店頭のDVDパッケージを使った提案が有効だ。この強みが実店舗にある以上、そう簡単にレンタルはなくならない。
――業界最大手のTSUTAYAと、旧作レンタルの100円戦争を繰り広げたが、あの戦略はどうなっているか。
今も一部では100円でレンタルしている。旧作を100円でレンタルするのは、自然なことだと考えている。
――TSUTAYAは100円戦争で双方疲弊したとして、今後は基本的に安さ訴求はしないという方針だが。
誰に訴求するのかによって、考え方は違うだろう。ゲオはより手軽に来てもらえる店舗でありたいと考えている。「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことが当社の基本的な経営理念。手軽でリーズナブル、かつ豊かに暮らせるものを提供することが、重要なのだ。レンタル以外に手がけているリユース(リサイクル)品の販売や、中古スマホの買い取り・販売もその理念の一環。TSUTAYAとは同じ商材を扱っていても、目指すところがちょっと違うのだろう。
――将来の企業イメージは。
2020年の東京オリンピックがひとつの区切りになる。オリンピックを契機に、携帯電話とTVの技術が進化するので、そこに関わる生活のあり方も変わってくるだろう。動画配信もTVとどう共存するのか、産業のあり方が明確になっているだろう。その時にレンタルの実店舗とどう住み分けるか。知恵が問われていると思う。
(撮影:尾形文繁)
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