大逆風?米国株式市場を襲う悪材料の数々 コモディティが下落、消費に勢い見られず
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 本来であれば2016年は米国株式市場にとって良い年になるはずだ。米連邦準備理事会(FRB)の利上げは景気に自信があることを示唆するものであり、大統領選挙の年は例年、投資家は恩恵を被る。
専門家の大半は現在の強気相場が7年目に突入すると予想しており、最新のストラテジスト調査によると、2016年末のS&P500指数は現在の水準より概ね8%高の約2207という予想結果が出た。
しかし、多くのことが首尾よく運ばない可能性もある。回答者のストラテジストは同時に、波乱含みの大統領選挙から地政学的リスクに至るまで、株式市場に大きな打撃を及ぼす長い懸念事項リストも示している。
以下がその懸念事項の一覧表だ。楽観的であり続けたいと考える人には、古くからあるウォール街のことわざを思い出してほしい。「強気相場は心配の壁を登る」。
企業業績の改善にブレーキも
ロイターの調査対象となった30人のストラテジストが挙げた懸念事項の中で突出しているのは企業業績の悪化だ。S&P500種企業の2015年の利益成長は横ばいと予想されており、株価は既に割高水準にある。現在の株式市場は利益の概ね19.3倍で取引されており、過去の株価収益率の平均である15倍を大きく上回っている。企業業績に何らかのつまずきが見られれば、株価の割高感が一段と増すだろう。
ロイターの調査では2016年の増収率予想は現在3.9%で、コスト高によって利益は2年連続横ばいに抑えられる見通しだ。ヌビーン・アセット・マネジメントのチーフ・エクイティ・ストラテジスト、ボブ・ドール氏は「労働コストがわずかに上昇し始め、支払利子が増えると、利益率の改善を続けるのは難しくなる」と指摘する。