大逆風?米国株式市場を襲う悪材料の数々 コモディティが下落、消費に勢い見られず
2015年にドルは主要通貨に対して8.4%上昇しており、米国が利上げを継続する一方で他国は緩和的な金融政策を維持することから、来年は一段のドル上昇も見込まれる。
ドル高によって米国製品が海外でますます割高となるため、海外事業比率の高い米国企業にとっては販売面でのさらなる圧力となりそうだ。
「前年と同様の展開になれば、米国企業に対して約280億ドルの打撃になる」とファイアーアップスのウルフガング・コースター最高経営責任者(CEO)はみており、海外事業を抱える米国企業の2016年第1・四半期の1株利益は0.03─0.04ドル押し下げられると指摘した。
米大統領選で泡沫候補が当選すれば
歴史的にみて大統領選挙の年に株価のパフォーマンスは良好だ。株式市場年鑑のストック・トレーダーズ・アルマナックによると、1950年以降に行われた16回の大統領選挙の年に、民主、共和どちらの候補が勝利したかとは無関係にS&P500指数が13回上昇している。
しかし、ストラテジストたちは、ドナルド・トランプ氏やバーニー・サンダース氏のいわゆるアウトライヤー(非主流派)が出馬表明している2016年は例外的な年になるのではないかと疑っている。
アリアンツ・グローバル・インベスターズの米国投資ストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は「極端な候補が増えれば増えるほど、通常は株式相場に歓迎されないことが多い」と指摘。来年を通じて大統領選挙が相場のボラティリティ上昇要因になると予想している。