大逆風?米国株式市場を襲う悪材料の数々 コモディティが下落、消費に勢い見られず
12月16日にFRBが利上げを発表するとともに、将来の利上げに関してはゆっくりと行動すると表明したことを受けて、株式市場は急騰した。
しかし、FRBが仮にインフレ率の上昇や企業業績の改善なしに利上げを継続すれば、株価の押し下げ要因となる。ソラリス・グループのティム・グリスキー最高投資責任者は「利上げは一貫して懸念材料になるはずだ」との見方を示した。
利上げが進めば、株式が債券など他の資産に比べて魅力が低下する可能性があるためだ。
コモディティが下落、消費に勢い見られず
原油価格の下落で、エネルギー企業だけでなくこれらの企業に対する資金供給源である銀行や株主も痛手を被ってきた経緯があり、投資家に動揺を与えてきた。
ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、ジョン・マンリー氏は「コモディティ全体で下向きの制御が利かなくなる可能性がある」と述べた。
米国のガソリン価格は1ガロン当たり2ドルを下回る状況だが、消費ブームの勢いはない。追加利上げが実施されれば、消費者はさらに貯蓄傾向を強めるかもしれない。
S&P500種の株価売上高倍率は前回のピークを既に上回っている、とBMOプライベート・バンクのシニア・ポートフォリオ・ストラテジスト、ジェフ・ウェニガー氏は指摘する。販売が伸びなければ、経済成長が企業業績の伸びを促し、株価が上昇するという枠組みが消滅する可能性があるという。