三菱UFJの苦悩、モルガン・スタンレーへの出資で損失

これに倣い、モルガン・スタンレーも報酬方法を変更し、株式を対価にした。株式は市場から買い付けるのではなく、報酬が与えられた時点で発行される。つまり、会社側が自己株取得といった措置を別途取らないかぎり、株式の希薄化が続くことになるだろう。

優先株のほうがお得だった?

モルガン・スタンレーは08年秋のリーマン・ブラザーズの経営破綻後、第2のリーマンとの連想から株が売り込まれ、資金繰りに行き詰まった。ゴールドマン・サックスとともに、銀行持ち株会社となることを申請してFRBから資金供給を受けたが、当時は潰れるのは時間の問題だとみられていた。

これを救ったのが90億ドルの巨額出資をしたMUFGだ。MUFGは78億ドルを優先株で保有し、昨年、全額普通株に転換した。普通株にこだわったのはMUFG側だ。出資当初から、単なる純投資案件ではなく、戦略的な提携関係を目指していたためだ。出資後にモルガン・スタンレーの株価は上昇し、MUFGは前期決算で負ののれん2906億円を計上するなど、成功案件に見えた。

しかし、今後には疑問符がつく。欧米の金融機関に対する規制は強化されるばかりだ。厚い資本が求められる一方、自己売買が制限されるなど、収益は細る傾向にある。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT