2016年夏に衆院解散・衆参同日選はあるのか 安倍政権の明暗を分けるものは?
北海道5区補選と春先の経済情勢が判断材料
さまざまな条件を考慮して、安倍首相が解散に踏み切るかどうかを決断するのは、春の大型連休の前後だろう。4月24日投票の衆院北海道5区の補欠選挙の結果も大きな判断材料になる。町村信孝前衆院議長の死去に伴うこの補欠選挙には、自民党から町村氏の娘婿が立候補する予定。野党からは民主党系の女性候補が出馬し、共産党も支援する構えだ。与野党一騎打ちの選挙で自民党が敗れるようなことになれば、解散機運は一気に遠のくだろう。
加えて、解散の判断を大きく左右するのは春先の経済情勢である。アベノミクスは、一本目の矢の金融緩和が効果を発揮したものの、目標の物価上昇率2%には及ばず、息切れ状態。二本目の財政出動にも限界があり、三本目の成長戦略は目立った成果をあげられなかった。安倍首相は2015年に「新三本の矢」を打ち出したが、GDP(国内総生産)600兆円などは「矢」ではなく「的」だ。経済再生の道筋は依然として見えてこない。
2016年春先になっても、国民にとって、景気回復の実感が薄く、格差拡大が指摘されているようなら、安倍首相が衆院解散に踏み切れるような環境とはいえない。逆に民主党などは「経済失政」を指摘し、勢いづくだろう。2016年政局の天王山である参院選に向けて、明暗を分けるのは経済情勢である。
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