リクルート社長「株式上場で世界一を狙う」 峰岸真澄・リクルート社長
美容院を例に挙げれば、髪を切ったり、よいサービスを提供するのが本業です。できれば煩わされたくない顧客管理は、リクルートが無料で提供する予約管理システムを使って業務の効率化を図っていただく。
従来から私たちは、顧客企業の業績向上に寄与したいと考えてきました。美容院に対しては、営業担当が「来店頻度が2カ月に1回のお客様には、カットやカラーの安いプランを入れて、1カ月後に来てもらいましょう」などと、提案しています。今後は、スマートフォンやビッグデータの分析を通じて、こうした提案力を高めていきます。
情報誌がメインだった頃は、キャッチコピーや写真の撮り方だけで、集客効果が大きく変わることがありました。スマートフォンの時代に入り、これからはどういうマーケティングが効果的なのか、追求していかなければなりません。
顧客側の意識も変化しています。これまで広告宣伝は、新聞広告やテレビCMに代表されるように、効果が出そうだと思ってもらうことが重要でした。しかし、今やインターネットのログなどを調べれば、実際に効果があったのかどうか、はっきりわかります。結果が出なければ、いくら期待値が高くても、継続したお付き合いは望めません。
ただ、リクルートは従来から、「広告料金はいくらです。以上終わり」というビジネスはしていません。情報誌の営業では、「1ページご掲載いただきましたが、どのくらいお客様が集まりましたか」「お客様一人当たりいくらお使いになりましたね。この結果でご満足ですか」と、お聞きしてきました。
このように顧客の企業価値向上に貢献するという姿勢は、今後も変わることはありません。