リクルート社長「株式上場で世界一を狙う」 峰岸真澄・リクルート社長
--中長期で業績目標は設定していますか。
リクルートグループで最も重要なのは、当期の計画をクリアしていくことです。中長期のプランはありますが、そこを目的化してはいけないと思うんです。数値目標を追いかけると、顧客サービス、顧客満足度が下がりますから。
長期的な数値目標は示しませんが、長期的な戦略ビジョンは掲げています。それは、リクルートのサービス領域すべてで、世界一になることです。まず、中期目標に掲げたように人材関連事業が先行して世界一を目指し、販促支援事業はアジアでナンバーワンになる。その後、時期は定めていませんが、全事業でグローバルナンバーワンの座を狙います。
そのためにもIT部門を強化していきます。重点を置いているのが、まずはR&D(研究開発)分野で、分社化後は持ち株会社のリクルートホールディングスが責任を持ちます。具体的には、コーポレートベンチャーファンドを通じて、優れた技術やサービスを有する世界のベンチャー企業に出資します。
さらに、自社開発も行っていきます。特にスマートフォンに焦点を当て、無料で通話やメールが楽しめるLINEや、写真特化型で米SNSのピンタレストのようなサービスを作りたいと考えています。
ビッグデータやクラウドに関しては、分社化後に設置するリクルートテクノロジーズが担当します。私たちは、家を購入する可能性がある人など、非常に価値のあるデータを保有しています。そうした人たちにはどのような情報提供をすれば満足してもらえるかなど、日本有数のデータサイエンティストが分析します。