リクルートの「広告主」という“顔” 広告代理店だけではない

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リクルート--広告代理店だけでない、「広告主」というもう1つの“顔”

「われわれは日本でも、ヤフーやグーグルさんの中ではトップの広告主ですよ」

この4月から新社長に就任した、リクルートの峰岸真澄・新社長。インタビューの中で何気なく漏らしたその言葉に、リクルートのもう1つの素顔が垣間見えた。

早ければ来期にも東証上場を目指すリクルート。その主力事業は、「人材関連」事業と「販売促進支援」事業だ。平たく言うと、前者は求人広告であり、後者は住宅、旅行、飲食店情報などの広告である。リクルートの誇る強固な営業軍団が、大~中小企業からは就職や転職の、デベロッパーからは分譲マンションの、航空会社やホテルからはツアーやチケットの広告を集め、自社の持つ媒体に掲載するのがビジネスモデルと言える。

媒体はかつての市販誌(有料誌)から、フリーペーパー、ネットへと軸足を移したが、やっていることは広告代理店と考えてよい。情報誌の中身も、記事の形を取ってはいるものの、ほぼ全ページ広告扱いである。ちなみに、リクルートの媒体に占めるネット・モバイル比率は、前期末で46.7%と、有料誌の29.3%を抜きトップに立っている。

だが、ここで注目したいのは、リクルートがクライアントから広告を取り、広告代としてもらってくる、本業の方ではない。リクルートが自社の商品を、多数のマスメディアに広告として出す、「お客様」としてのリクルートである。

リクルートが現在抱える媒体は50を超える。人材関連1つとっても「リクナビ」から「FromAナビ」「はたらいく」まで、ほかには「SUUMO」「じゃらん」「ゼクシィ」「ホットペッパー」など、それこそジャンルは多岐にわたる。特に夏休みに当たるこの時期は、季節柄、「じゃらん」のCMをテレビに大量露出中だ。ネット上でも、ヤフーやグーグルのトップページには、リクルートの転職関連の広告が目立つ。

広告を取るリクルート、広告を出すリクルート

ここに既存メディアや代理店と、リクルートとの、“微妙”な関係がある。自らが媒体を持ち、企業から広告を取ってくるリクルートにとって、広告獲得の面で競合するのは、既存の代理店や新聞・雑誌、テレビ、さらにネットなど新たなメディアもそうだろう。しかし、一方でリクルートは、それらのメディアに、大量の商品広告を供給しているのだ。 

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