【産業天気図・ホテル/旅行】法人宴会好調で07年度後半は「晴れ」。08年度は宴会一服、海外旅行もブレーキ

ホテル・旅行業界の07年度後半は、ホテルの法人宴会や宿泊部門が好調で「晴れ」が続きそうだ。ただ、旅行に関しては、これまで好調だった海外旅行が原油価格高騰の影響から伸びが鈍化しはじめている。国内景気が停滞感を見せていることから、08年度にはホテルの法人宴会が一服感を強め、海外旅行需要は一段と低下する見通し。業界全体でも「曇り」となりそうだ。
 ホテル業界は、引き続き法人宴会や宿泊部門が収益を牽引している。帝国ホテル<9708>は、東京への相次ぐ超高級外資系ホテル進出に対抗し、08年末までの5年間で総額約170億円をかけた大改装を実施中。今08年3月期は、この効果が出て宿泊の客室単価が約1割上昇、低下ぎみの稼働率を十分吸収して宿泊部門は増収となる。法人宴会や会合も引き続き好調だ。ただ、前期まで好調だった婚礼はやや減少している。来09年3月期は、法人宴会や会合の伸びが鈍化しそう。帝国ホテルでは、主要顧客である金融機関を中心に景気停滞の影響が出ると見ている。
 藤田観光<9722>の今07年12月期は、椿山荘の法人宴会が好調。ワシントンホテルも首都圏中心に堅調で、婚礼の低調をカバーしている。来08年12月期も法人宴会が堅調を持続するものの、伸びは鈍りそうだ。
 一方、旅行業界では、これまで好調だった海外旅行に原油高の影響が出ており、伸びが鈍化している。国際線の普通運賃に上乗せして徴収する燃油特別付加運賃が高止まりしているため、海外旅行需要が冷えはじめている。ほとんどの旅行会社は付加運賃を顧客から徴収して航空会社に支払うが、現在はハワイで1人往復2万円弱、北米や欧州だと3万円近くかかる(1月から国内航空大手2社のうち日航が値上げの予定)。これで海外旅行をためらう顧客が増えており、業界の“勝ち組”であるエイチ・アイ・エス<9603>の前07年10月期はその影響で4期ぶりの営業減益という結果に。今08年10月期は広告宣伝費投入を抑えて増収増益に復帰する見通しだが、かつての高成長企業のイメージは薄れつつある。
 業界で“一人負け”の状況にある近畿日本ツーリスト<9726>はもっと悲惨だ。今07年12月期は、海外への団体旅行不振に加え、未使用旅行券の5年経過後の収入計上が認められなくなったことから、最終赤字、無配に転落する。来08年12月期も回復は鈍く、利益は低水準にとどまりそうだ。
 旅行業界は、内外のテロや伝染性の病気の流行など外部要因に弱い点も、恒常的なリスク要因として抱えている。
【柿沼 茂喜記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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