スズキはインド工場の再開メド立たず。1日操業停止で10億円の減収要因に
インド子会社での暴動事件に揺れるスズキが、8月2日、今2013年3月期の第1四半期決算を発表した。都内で開かれた決算会見では、従業員の暴動により操業を停止しているマネサール工場(インド北部・ハリアナ州)に関する質問が相次いだが、鈴木俊宏・副社長(上写真、5月の本決算発表時撮影)は「インド当局が原因を究明中。従業員の安全・安心を最優先しており、稼働再開はメドが立ち次第報告する」と述べるにとどまった。
鈴木副社長は事件の原因について、「現在、インドの州警察が捜査を進めている」として言及しなかった。今後の生産再開については「従業員が死を覚悟しなければならなかった状況に置かれたことを考えると、メンタルケアをしっかりしないといけない。生産再開は(インド子会社である)マルチ・スズキ社のトップに任せている」とした。また、今後のインド子会社における労務管理体制については「従業員と対話できる仕組みを強化する必要がある」とだけ述べた。
スズキは同工場の操業停止に伴う影響額の算定が困難として、第1四半期決算発表時点では、今13年3月期通期の計画を修正しなかった。ただ、同工場が1日操業停止することで約10億円の減収になることを明らかにした。利益額については公表しなかったが、限界利益から考えて1日操業停止で3億円程度の減益要因になると東洋経済では見ている。「当初計画自体を固く見ている。マネサール次第だが、ある程度の吸収力はある」(スズキ)。東洋経済では「会社四季報」夏号(6月発売)では、下表のように、今期の営業利益を1350億円(会社計画1200億円)と独自に予想してきたが、マネサール工場の稼働再開の時期を見極めながら、随時見直していく。
スズキのマネサール工場では7月18日に従業員による暴動が発生し、インド人幹部1名が死亡、多数の負傷者を出した。8月1日には州警察が労働組合幹部10名を逮捕している。
(並木 厚憲 =東洋経済オンライン 撮影:吉野純治)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
連本2012.03 2,512,186 119,304 130,553 53,887
連本2013.03予 2,700,000 135,000 150,000 78,000
連本2014.03予 2,900,000 155,000 170,000 88,000
連中2011.09 1,226,169 64,731 67,555 32,009
連中2012.09予 1,340,000 70,000 73,000 38,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2012.03 96.1 15
連本2013.03予 139.0 15
連本2014.03予 156.9 15-18
連中2011.09 57.1 7
連中2012.09予 67.7 7
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