韓国でベンチャーブーム再来も、拡大への素地は不十分
この10年間、韓国ベンチャー企業は静かだった。華麗なるベンチャー経営者もいなかった。
最近、第2のベンチャーブームとささやかれ始めた。スマートフォンブームのためだ。しかし、新興ベンチャーが中堅へと成長できる基盤は弱いままで、スターCEO(最高経営責任者)が出てこないと口をそろえる。
韓国ベンチャー産業は、4世代に分けられる。胎動期(1980年代初頭~95年)、基盤構築期(96~2000年)、調整期(00~04年)、再飛躍期(05年~)だ。世代が変わるごとにスターCEOが誕生した。80年代には李龍兌氏(三宝コンピュータ)が韓国ベンチャー史の冒頭を飾った。
96年にはコスダック(店頭)市場が開設され、翌年にはベンチャー育成特別法が制定された。その後もネイバーやダウム、サイワールドといったベンチャー中興の祖が誕生。だが、01年にベンチャーバブルが崩壊、経済スキャンダルも発覚し、ベンチャーは沈滞期に入った。
04年に韓国政府が第2次ベンチャー産業育成法を制定したが、効果はなかった。米国では00年にドットコムバブルがはじけたが、「それでも米国ではベンチャー神話が相次いで生まれた。しかし、韓国ではそうではない」と情報通信政策研究院(KISDI)のチェ・ゲヨン研究委員は言う。