レクサスSUV「新RX」は何が優れているのか シャープなのは外観だけじゃない

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燃費は前輪駆動でリッターあたり11.8km(JC08モード)。AWD(四輪駆動)では11.4km(同)と発表されている。日常的につきあえる好燃費だ。これにはエンジン出力特性のセッティングも功を奏している。1650rpmから350Nmもの最大トルクを発生し、アクセルペダルを踏み込まなくても力強く走れる。

室内は前後席ともに広々感が強い。後席シートの座面はややフラットに感じられるが、バックレストを倒して大きな荷物を積むことを考慮したためだ。より高い質感を望む人のためには、高級グレード「バージョンL」にセミアリニン本革シートが用意されている。手ざわりもしっとりと気持ちがよい。このクルマの雰囲気によく合った組み合わせだ。

「RXでありながら、RXであることを超えていく」とレクサスは説明する。この言葉になんとなく納得するのは、RX450hを運転した時だ。加速感から操舵感、乗り心地、そして静粛性など、あらゆる面で従来型を超えているからだ。

スポーティな個性を打ち出す

3.5リッターV6エンジンは燃費などで効率的なアトキンソンサイクルを採用。最高出力は193kW(262ps)、最大トルクは335Nm。加えて、前輪駆動版では335Nmの電気モーターが、さらに4輪駆動版ではリアにも139Nmの電気モーターが組み合わされている。燃費は前輪駆動モデルでリッター18.8km(JC08モード)、AWDで18.2km(同)と悪くない。

運転を楽しませるために、RX450hにも「ドライブモードセレクト」が備わる。ふだんは「コンフォート」もいいが、ロータリー型スイッチを右に回転させて「スポーツ」あるいは「スポーツ+」モードを選択すると、まるでスポーツクーペのような加速性をみせる。エンジン回転を上げていなくても、電気モーターが瞬時に太いトルクを出し、車体の速度をみるみる上げていく。

トルキーで、車体の重さを感じさせない。トヨタ流“シリーズパラレル”ハイブリッド方式の面目躍如だ。レクサスRX200t同様、「Fスポーツ」の設定もあり、シャープなハンドリングで、全長4890mm、全高1710mmという余裕あるサイズのSUVとは思えないほどスポーティな走りを味わえるのだ。

レクサス・RX450h “F SPORT”

RX450hの「Fスポーツ」はひときわ特別である。リアに電動アクティブスタビライザーが搭載されているのだ。コーナリング時など車体のロールに応じて、適切な姿勢を保つよう制御してくれている。ドイツ製のスポーツSUVなどに興味ある人でも満足できるようなキャラクターとなっている。

高速での乗り心地が期待以上にしっとりと感じられたのは、車重をうまく使っているのだろう。適度な重さがあるほうが、乗り心地はよくなるものなのだ。ゴルフなどの趣味を持つ人や、家族や仕事で長距離を走る機会の多い人も、疲労度の少ないドライブが楽しめるはずだ。

新型レクサスRXシリーズは、そのスタイリングとともに、はっきりとスポーティな個性を打ち出しているところを評価したい。

(文:小川フミオ)

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