デジタルプラットフォームの拡大で、社会的セーフティネットが瓦解するリスクにさらされる労働者の比率は高まっている。デジタルプラットフォームで仕事を見つける個人の大半は、独立した契約者として営業し、フルタイムやパートタイムの労働者に対する給付や保護を受けないからだ。企業から見たコストの差は30%以上になることもあり、フルタイム従業員を独立契約者に置き換える誘惑が働く。
企業は一時的な臨時契約の労働者を雇ったり、解雇したりすることが簡単になる。雇用主は規制を逃れて労働コスト引き下げ競争を激化させる可能性がある。
政策立案者が行動を起こさないかぎり、米国の労働市場は二極化してしまう。上層に区分されるのは、手厚い給付を受ける高度なスキルのフルタイム労働者や、独立契約者あるいは自営業者として稼いだ高額の所得から自分の給付を得る高度なスキルの個人だ。下層には、健全で力強い中流階級として必要な給付、収入、雇用の安定を持たない、中程度または低度なスキルの臨時労働者が大量に当てはまる。
企業や当局者は新たな思考を
臨時労働者が給付を受けられる新たな政策や機関が必要で、以下三つの条件を満たすべきだ。まず、雇用主でなく個々の労働者に帰属し、転職後も通算可能なこと。それから、すべての労働者とすべての雇用形態に適用されること。最後に、比例配分的であり、雇用主による給付拠出を働いた時間や成し遂げた仕事、稼いだ収入に関連づけること。
全労働者に対する新たなセーフティネットの実現の前に、なされるべきことが多く残っている。どの給付や保護を対象に含め、それらに必要な拠出はどうするか、どうやって労働者に提供するかを決定していかなければならない。
すべての労働者に安全で通算可能なセーフティネットを提供しつつ、こうした経済全体のメリットを実現するには、企業や政策立案者に新たな考え方が必要になる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら