米国の「給与格差」が一向に縮まらないワケ

「利益分配制度」を妨げる4つの障害

米企業の管理職と平社員、給与格差は縮まらないのか(写真 : シメジ / PIXTA)

過去35年間、米国の実質賃金は生産性向上のペースについていけなかった。増加する利益は管理職やCEO(最高経営責任者)、あるいは株主の手に渡っていた。所得分布の下層10%において実質賃金は約6%減少し、中央値にある労働者たちでは5~6%の上昇、そして最上層1%の賃金は150%以上も膨れ上がった。

利益分配制度を妨げているのは

こうした格差を解決する対策のひとつに、広範囲にわたる利益分配制度がある。包括的利益分配制度や従業員持ち株制度のある企業の労働者は、同制度を持たない企業の労働者よりも高い収入を得ている。

ただ、米国の民間労働者の約3分の1だけしかその制度に参加しておらず、自社の株を保有しているのも全体の約20%にすぎない。

普及を妨げる理由はいくつかある。第一に、利益の大半を分配されている幹部の抵抗。第二に、労働者は利益分配が増えると、ほかの報酬がカットされると懸念している。

次ページ三つ目と四つ目の障害は
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • グローバルアイ
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT