過去35年間、米国の実質賃金は生産性向上のペースについていけなかった。増加する利益は管理職やCEO(最高経営責任者)、あるいは株主の手に渡っていた。所得分布の下層10%において実質賃金は約6%減少し、中央値にある労働者たちでは5~6%の上昇、そして最上層1%の賃金は150%以上も膨れ上がった。
利益分配制度を妨げているのは
こうした格差を解決する対策のひとつに、広範囲にわたる利益分配制度がある。包括的利益分配制度や従業員持ち株制度のある企業の労働者は、同制度を持たない企業の労働者よりも高い収入を得ている。
ただ、米国の民間労働者の約3分の1だけしかその制度に参加しておらず、自社の株を保有しているのも全体の約20%にすぎない。
普及を妨げる理由はいくつかある。第一に、利益の大半を分配されている幹部の抵抗。第二に、労働者は利益分配が増えると、ほかの報酬がカットされると懸念している。
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