ブリヂストン、「買収合戦」は一件落着なのか ペップボーイズを巡り、大物投資家とバトル
ブリヂストンが進める大型買収に、米国の大物投資家が立ちはだかった。「物言う株主」として企業経営者から恐れられるカール・アイカーン氏だ。
ブリヂストンは10月26日、米国の自動車用品の小売りチェーン、ペップボーイズ社を買収すると発表し、11月16日から1株15ドルで総額約8.35億ドル(約1012億円)のTOB(株式公開買い付け)を開始。同23日には米国の独占禁止法関連法案の審査も終えた。津谷正明CEOは12月1日の記者会見で、「今年は色々なことに着手できた。100点満点で90点」と満足感を示していた。
ところが12月5日、アイカーン氏はペップ株の12.1%を保有していることを発表。さらに7日にはブリヂストンを上回る1株15.5ドルで買い取る提案を提示したのだ。それまで15ドルにサヤ寄せされていた株価は16ドルを突破した。
大株主にアイカーン氏登場、対抗買収を提案
アイカーン氏の提案は、自身が保有するトラックやバスの部品小売りチェーン「オートプラス」とのシナジーを訴求するものだ。これを受けて、ペップ側はアイカーン氏の提案の方が優れているとし、ブリヂストン側が対案を示さない場合は買収の合意を破棄すると発表。9日にはペップ株は16.78ドルまで上昇した。
アイカーン氏は敵対的買収など、強硬な投資スタイルで頭角を現し、現在はアクティビスト(物言う株主)として知られる大物投資家だ。過去にはヤフーに対して、マイクロソフトへの身売りを提案したことでも話題になった。
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