ブリヂストン、地味すぎる買収に込めた計略

トップシェアの市場をどこまで守りきれるか

ブリヂストンは米国の自動車用品チェーンのペップボーイズ社を買収する(撮影: Bloomberg)

記者会見なし、詳細な説明資料もなし。あるのはたった数枚のプレスリリースだけ――。あまりに地味すぎる大型買収だが、ブリヂストンにとっては、世界首位の座を磐石にするための布石かもしれない。

ブリヂストンは10月26日、米国で自動車用品の小売りチェーンを買収すると発表した。米国で800店舗以上を展開するペップボーイズ社を8.35億ドル(約1000億円)で、TOB(株式公開買付け)を行う。2016年初頭までに完全子会社化する予定だ。

成功すればブリヂストンが北米で「ファイアストン・コンプリート・オートケア」などのブランドで展開する2200店舗とあわせ、3000店舗の小売チェーン体制となる。

ブリヂストンにとって、1988年のファイアストン(約3300億円)、2006年の再生タイヤ会社のバンダグ(約1200億円)に続き、約10年ぶりの大型買収となる。

実は身売り中だったペップボーイズ

ペップ社は自動車用品の小売チェーンで、ペンシルベニア州に本社を置いている。店舗網はニューヨークなど東海岸やカリフォルニア州、フロリダ州に展開。創業は1921年と古く、ニューヨーク証券取引所に上場も果たしている。

ただ、業績は低迷している。この5年間の売上高はほぼ20億ドル強(約2500億円)で停滞ぎみ。同期間の営業利益率は1%を前後し、場合によっては赤字転落という低空飛行が続いていた。

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