サムスンが15年ぶりに挑む自動車分野の目算 大胆なグループ再編の狙いを探る

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また、サムスン電子の弱点とされてきたソフトウェア開発力も強化する。これまでの無線開発室を二分割し、それぞれソフトウェアとサービス、ハードウェアと機器などを開発させるように業務を分担させるようにした。サムスングループの関係者は、「研究・開発全体を強化するとともに、ハードウェアに比べて劣るとされているソフトウェアの開発能力を向上できるための基盤作りが目的」と打ち明ける。また、オンラインでの販売を強化するため、主力事業部ごとにオンライン専用の組織を新設している。

 サムスン物産の場合、今回の組織再編で建設事業部を一元化することになる。かつて第一毛織が持っていた建設部門をサムスン物産の建設部門に移管し、建設関連事業を除いたリゾート部門は1事業部・2チーム制で運営することになる。これは、重複する事業を整理してコア事業の競争力強化と相乗効果を高めるためのものだ。サムスン物産内での建設事業を統合したのは、旧第一毛織りと同社の合併直後に行われたことがわかっている。建設事業が複雑に絡み合い、グループレベルでの事業再編が必要だったためだ。サムスン物産の関係者は、「事業部門別にコアな事業競争力を強化し、シナジー効果も創出し、新たな成長エンジンを確保することで長期的な成長基盤を構築するためのもの」と説明する。

大赤字のサムスン重工業をどうするか

 サムスン物産のファッション事業にも再編の風が吹いた。李健煕(イ・ゴンヒ)会長の次女である李叙顕(イ・ソヒョン)氏が、第一企画経営戦略担当社長の座から、サムスン物産ファッション部門長へ移った。同社の商社部門が持つグローバルネットワークをファッション事業が積極的に活用することで、海外進出のスピードを上げることになる。同社はまた、バイオ事業にも投資を増やす予定だ。

 サムスン電子と物産での事業再編と比べると、他のグループ会社ではそれほど大規模な組織改編は行われなかった。サムスンSDSはソリューション分野を強化する事業を新設。韓国市場だけでなく、国際的なソリューション市場に名乗り出ることが課題でもある。ロッテに化学事業を売却したサムスンSDIは、電機・電子材料を中心とした組織再編が進行中。サムスンディスプレイは15年4月に組織改編を実施済みで、LCDと有機発光ダイオード(OLED)の二つの事業に注力している。サムスン生命やサムスン火災、サムスン証券など金融系会社では目立った組織改編は見られなかった。

 心配されるのは、業績悪化で苦戦しているサムスンエンジニアリングとサムスン重工業だ。両社をどう整理するかに関心が高まっている。サムスンエンジニアリングは12月7日、1兆2000億ウオン(約1200億円)規模の有償増資を推進し、既存株主による申し込みが足りなければ李副会長が最大3000億ウオン(約300億円)を投資すると発表した。今回の増資を必ず達成させるということだ。

サムスン重工業は海外受注分のプラントがうまくいかず債務超過に陥った。結局取りやめになったが、14年9月には両社の合併が計画されたことがある。また、両社の事業にはサムスン物産と重なる事業もあり、さらなる組織改編は避けられないという指摘も根強い。

チョ・ヨンタク 韓国『中央日報エコノミスト』記者
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