「黄色い6000系電車」は、なぜ誕生したのか 西武鉄道「中の人」が明かす色へのこだわり

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「黄色い6000系電車」を実施するという発表は、2015年3月31日に発信した池袋線開業100周年関連ニュースリリース内の1項目として、6000系1編成を黄色くするという旨だけが記載された。

翌日がエイプリールフールということもあり、発表直後から合成写真によるファンが各自で想像する「黄色い6000系電車」がツイッター上に相次いでアップされた。それを見た人たちも「エイプリールフールのネタかと思ったら、本当に実現した!」と驚くさまが多く見られた。

そして4月13日、「黄色い6000系電車」の詳細についてのニュースリリースを行った。ファンがイメージした数々の黄色い電車のどれが正しかったのか。このリリースは、デザインの答え合わせのような形となった。前述の「銀のひげ」がないことについても、ファンの間で多く議論がなされていた。

運行開始後の4月20日、西武グループの公式フェイスブックページ「Smile SEIBU」に黄色い電車の写真を掲載したとたん、歴代最多リーチを更新した。また、ツイッターでは、直通先の路線で黄色い電車に遭遇した人のツイートが目立った。「昔、西武線沿線に住んでいた頃を思い出した」「西武線が直通していることに初めて気がついた」という人もいた。

タモリのサインを探すファンも

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10号車に書かれたサイン。今もそのまま存在している

運行開始日にテレビ朝日系で放送している「タモリ倶楽部」の収録を「黄色い6000系電車」で行った際、出演者の方々に10号車乗務員室後ろの壁にサインをしていただいた。番組放映後はサイン目当てに10号車まで移動する方もいた。

しかしこの電車は広範囲を走るため、見たいと思ってもなかなか出会えない。8カ月たった今なお、「やっとサインを見ることができた」というファンの方のツイートも見受けられる。

意外なのは西武線内でも「黄色い6000系電車」だと気づく人が多いことだ。見た目からしたら普通に走っている本当の黄色い電車と変わらない。とはいえ、近年鉄道がメディアに取り上げられる機会が多いことから、鉄道に今までより興味を持っていただく機会が増えたということなのかもしれない。

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