崖っぷちの丸栄、「ラオックス」誘致にすがる 名古屋老舗百貨店はギャル系から「爆買い」へ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

結果的に丸善は、11月と12月の2段階に分けて、丸栄から完全に撤退。その空いたスペースの一部に、ラオックスが入ることになった。ラオックスの売り場面積は、1階の183平方メートルと7階の1574平方メートルだ。全売り場面積、3万3000平方メートルのうち、5%程度をラオックスが占めることになる。賃貸借契約がベースで、丸栄には賃料収入が入るほか、歩合の部分もあり、ラオックスの売り上げが伸びれば、丸栄の収入も増える仕組みになっている。

改装費用は、ラオックス側の負担も含め、約2億5000万円。丸栄はここ最近、投資を控えていたため、数年単位でならして見れば、大きく投資額が膨らむことはないという。

インバウンドは名古屋でも増加

肝心の業績に与える影響については、「押し上げにつながることを期待しているが、フタをあけてみないと分からない、というのが正直なところ」(丸栄)。

飜ると、中部国際空港(愛知県)に、中国最大LCC(格安航空会社)の春秋航空が今年就航したことなどもあり、名古屋にもインバウンドは確かに増えている。だが、東京や大阪ほどではない。ラオックスにとっても、名古屋は初進出となり、どれだけ客を呼び込めるかは、未知数といえる。

現時点で、丸栄の免税品売り上げはほとんどない。今後、中国語を話せる販売員の確保など、ソフト面での対応も急ぐ。2016年に創業401周年を迎える、老舗百貨店が起死回生を賭けて、新たな挑戦へと踏み出す。 

藤尾 明彦 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事