沿線の「地盤沈下」を止めろ!西鉄が打つ一手

一見「畑違い」な分野にも、参入の意味がある

また、新規就農者育成も重要な事業の一つ。モデル農場で研修生を受け入れ、地元農家の指導の下、栽培・収穫・加工・販売の実務を通して知識や技術の習得を図る。研修後も同社が技術指導や販路開拓などの支援を行い、経営安定化に向けてサポートまで行っていく計画だ。

 長期的に成果を出せるか

地元の生産者が指導に当たり、研修生をサポート

第一期となる今年は2人の研修生を受け入れ、「あまおう」の栽培をスタート。農業には気候変動や自然災害など想定できないリスクがあり、一品種で採算をとることが難しいため、今後はアスパラや小松菜など、栽培品種の拡大を進めていくという。

NJアグリサポートの松寺昌文社長によると、西鉄は10年ほど前から農業関連の事業へと参入する道を模索してきたそう。そこに今回のJAからのオファーが重なり、満を持して動き出すことができた。

鉄道とスタートアップ、そして鉄道と農業。いずれも、一見「畑違い」に思われる組み合わせだ。農業に関して言えば、西鉄グループには流通部門や物流部門もあるため、まったく縁がないわけではないが、どちらも短期的に見て収益貢献するような事業ではないだろう。

それでも、西鉄がこれらの事業に力を注ぐ意義は大きい。特に沿線の「農業衰退による人口減」は、本業である鉄道・バス事業の衰退にかかわる大きな課題だ。これらの支援で地域活性化を図ることは、鉄道会社として抱える沿線の「地盤沈下」を食い止めるため、長期的に取り組むべき打ち手の一つにほかならない。

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