新型山手線は「東京のアイコン」になれるのか

大都市には「象徴」となりうる乗り物が必要だ

大胆なデザインは強い印象を与えるが、果たして東京の象徴にまでなりうるか(撮影:風間仁一郎)

JR東日本の山手線用次世代電車、E235系が2015年11月30日に営業運転を開始した。不幸なことに、運転初日に不具合を起こし、対応が完了するまで当面の間、運転を取り止めている。だが、量産はまだ数年先。今のうちに問題を出し切っておくに越したことはない。

それはさておき、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催される頃には、現在の既存車両はE235系にすべて置き換わり、新型車両が「山手線の顔」になっているのは間違いないだろう。東京を代表する鉄道路線のイメージがE235系で形づくられることになる。

その時、E235系は、果たして「東京の顔」にまでなれるだろうか。その期待は大きいと考えるが、肩の力を抜いて順に、内外のデザインを考察してみたい。

東京を象徴する乗り物は?

世界の大都市を見渡してみれば。乗り物がその都市の象徴の一つとなっているような町も思い浮かぶ。

典型的なのが、ロンドンの赤い2階建てバスだろう。丸っこく親しみやすいスタイルをした「ルートマスター」と呼ばれるタイプは、1950年代に生産が開始され、2005年まで路線バスとして使われていた。現在でも観光用として現役である。

ルートマスターの後継車としては、やはり2階建て構造を踏襲した赤い新型バスが使われている。実はロンドン以外のイギリスの都市でもこのようなバスは走っているのだが、ロンドンの都市風景とは切っても切り離せない。

ほかにもサンフランシスコのケーブルカーや、ニューヨークの地下鉄なども同様であろう。遠来の客がその都市に着き、観光や市内移動の足として親しむ交通機関としての存在だ。東京に限らず、日本全体でということなら、東海道新幹線が挙げられる。富士山の麓を走る、白く青帯を巻いた高速列車は、しばしば日本を象徴するシーンとして語られる。

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