実践で見えてきた、タブレット学習の「功罪」 データが生徒の「知の集合体」になっていく

一方、中間テストで、学習用PCでできていたものが、紙になるとできないということが起きた。基本的な語句の漢字や読みなど細かいところがおろそかになり、図解が載っている教科書の注釈も知らず知らずの内に読み飛ばしていることに気づいた。そのため、単元ごとに確認テストを行い、「分かったつもりになっていないか」を確認している。
内容の理解は、グループで活動して分かったことをしっかり自分の言葉で答えられるか、確実に自分の力にできているかを重視する。漢字の読み書きはドリルなどを用い、個人の学習に戻すようにしている。
分厚い教科書、ノート、辞書が一つに集約されるのはいい。国語は考えた跡を残していくことが大事。タブレットで使用しているアプリ「ONEノート」は、セクションごとに分けて自分の考えを残していくことができる。
教師誰もがアクセスしてシェアできる環境を
紙のノートも配布したプリントを貼るためなどに使うことがあるが、基本的に「ONEノート」のデータが生徒自身の「知の集合体=学んだことの集合体」となりデジタルで記録されていく。
教科書や参考資料は著作権の制限が大きく、教室での投影はいいが生徒に配布してはいけないこと、作家によってはデジタル化されていないものもある。今後、使いたい教材がデジタルにないという問題が出てくると感じている。
佐賀県は県全体でICT機材を導入しているので、教材をクラウドか何かで管理し、教師誰もがアクセスしてシェアできる場があればいいと思う。著作権の問題はあるが、一から教材を作るのは大変。教材をシェアする場があると、いろいろなツールやコンテンツがある分、生徒の学びのバリエーションも広がると思う。
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