あなたにも出来る!社労士合格体験記(第55回)--台湾の電車の中でも受験勉強

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まず押さえておきたいのは、この制度は労災保険に適用されるのであって、雇用保険に関してのメリット制ではないこと。そして、継続事業(一括有期事業を含む)と有期事業(単独有期事業)で扱いに差があるということです。継続事業の場合は、年度ごとの労災保険料率を引き上げ又は引き下げる制度ですが、有期事業では最終的な確定保険料の額を引き上げ又は引き下げる制度になります。

一括有期事業とは、小規模な建設事業や立木の伐採の事業で、同一の事業主がいくつもの現場作業を重複して行っている場合に、法律上当然に適用される徴収法上の規定です。最大の特徴は、有期事業であっても一括されることによって、徴収法上は継続事業とみなされる点です。

紛らわしい従来部分と改正部分の相違点

改正された部分は、一括有期事業や有期事業の該当要件で、確定保険料の額が100万円以上から40万円以上に引き下げられた点です。これによって適用範囲が拡大され、今までメリット制の適用を受けなかった有期事業も適用を受けることになりました。

建設事業の場合は、メリット制を適用することによって40%の範囲内で労災保険料率の引き上げ又は引き下げを行うことができますが、改正で新しく加わった確定保険料の額が40万円以上100万円未満の場合の増減率は、例外的に30%の範囲内に抑えられています。一方、立木の伐採の事業の場合は、従来部分が35%、改正部分が例外的に30%という増減率の上限が適用されます。

紛らわしいのは、一括されていない単独有期事業の場合は、従来部分と改正部分の増減率の上限が同じだという点です。すなわち例外はなく、確定保険料の額が100万円以上であっても、20万円以上100万円未満であっても、増減率の上限は建設の事業の場合40%、立木の伐採の事業の場合は35%となります。

次回は、東京の温泉で手軽にプチ湯治です。

【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】

翠 洋(みす・ひろし)
 1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。Mr. MISU国際行政書士事務所、中央社労士オフィスみす開設。現在は、LEC講師として社労士「新合格講座」「人事労務基礎科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」。(TOEIC 945点、中国語コミュニケーション能力検定TECC 883点、ハングル能力検定 準2級)。

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